歯周病は治せます

歯周病は “歯の周りの病気” で “感染症” です。歯肉からの排膿・出血を止めることから始め、ブラッシングやスケーリング(歯石の除去)で改善します。

原因の追求・除去

歯周病になりやすい原因には、喫煙や唾液量減少などがあります。
1.歯周病であることに気づく
2.歯周病の問題に関心を持つ
3.治療法を理解する
4.治すために行動する
当院では、患者さまご自身が歯周病に “関心” を持ち “行動” する『予防歯科』を行っています。
“気づくこと” こそが治療への一番の近道です。

顕微鏡による治療

当院では位相差顕微鏡による歯周病の治療を行っています。外科的な手術ではなく、体に負担をかけない抗菌薬による治療です。
(※保険外治療) (※薬のアレルギーがある方は適応外)

歯周病と全身疾患の密接な関係

歯周病と糖尿病

歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に関わってくるのでしょうか。出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。歯周ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします(インスリン抵抗性)。そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。最近では歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
尚当医院では患者さんの糖尿のかかりつけの病院と連携を取って歯周病の管理をすることもできますのでお気軽にご相談してください。

歯周病と妊娠

妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)の分泌が約7倍盛んになります。このホルモンを好む細菌が増えることにより、歯肉炎になりやすくなります。そのため、妊娠5~20週頃から歯肉が腫れたり、出血する事があります。
出産後、ホルモンのバランスが落ち着くと治りますが、そのままお口の中を不潔にしておくと、歯周病へと進行して行きます。

歯周病と低体重早産

妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。
歯肉の健康な妊婦に比べ中・重度歯周病に罹患している妊婦は、早産や低出生体重児の出産のリスクが7倍高いという調査結果を発表しています。
(一般的に低出生体重児とは、2500グラム未満の新生児です。)
歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。
生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。

歯周病と心臓疾患・脳血管疾患

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来ます。
プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。

歯周病と骨粗しょう症

「閉経後骨粗鬆症」の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、女性ホルモンの欠乏です。
女性ホルモンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
また、骨粗しょう症に使われる薬に顎骨壊死を起こす例が挙がっています。ビスホスホネート製剤の服用前に歯科を受診することが大切です。口の中の衛生状態を改善し、抜歯などの歯科治療を投薬開始の2週間前までに終えることが望ましいです。骨粗鬆の治療を始める前に歯科治療と歯周病予防の継続が大切になってきます。
実際に服用されている方は休薬してからであれば治療は可能です

歯周病と誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。
嚥下機能の低下した高齢者に多く見られます。
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。

かかりつけの医師にご相談ください